第1181回
ガイドブックの中に夢があります

本屋に行った時、必ず立ち寄るのは
旅行と料理のコーナーです。
私は旅行が好きで一年中、旅行をしているし、
自分自身、旅行の本もたくさん書いています。

日本人は旅行好きな国民だと私は思っています。
「奥の細道」も旅行の本だし、
「東海道中膝栗毛」も旅行の本です。
徳川時代に300年にわたって鎖国令を布いたのも、
自由に海外に行けたら日本人は皆、
外国に行ってしまって治める領民がいなくなることを
徳川幕府が怖れたからだと勝手に解釈しています。
そういう日本人を日本国内に閉じ込めて
どこにも行かせなかったので、
日本人は日本国内で根が生えてしまい、
今度はどこにでも行ってよろしいということになっても、
どこにも行かなくなって、
世界中で一番引っ込み思案で、
排他的な国民になってしまったのです。

でもどこに行ってもいいのですよ
ということになると、
はじめはモジモジしていても、
そのうちに惰性がつくと
猛烈な勢いで外国に飛び出します。
海外旅行が解禁になった時、
いまに海外旅行者が1000万人をこえる時が来ると予想して
親しい出版屋さんに、小説本なんか出すのをやめて、
ガイドブックを出版することをすすめました。
自分自身も「金持ち気分で海外旅行」
「旅が好き、食べることはもっと好き」
「電車と二人連れ」「中国の旅、食もまた楽し」など
たくさんの旅行記を書いています。

だから旅行のコーナーは
私にとって馴染みのあるだけでなく、
これだけ旅行をしていても
まだ行っていないところがあるので、
ガイドブックのお世話になることが多いのです。
またしょっちゅう行くところでも
新しいガイドブックが出て、
私の知らないことが載っているとすぐに買ってしまいます。
おかげで書庫の中の大きな本棚が
一つ上から下まで旅行の本で一ぱいになっています。
次の旅行を思い立つと、
関係のありそうなガイドブックをごっそり運び出して
うまくつなぎあわせてスケジュールを組みはじめます。
すると、夜が更けるのを忘れてしまいます。


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2003年6月4日(水)

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