第1184回
コーヒーの本がうんとふえました

料理本の売場に行くと
いやでも目につくことがいくつかあります。
料理本の印刷が見違えるほど美しくなって、
なかでもイタリア料理の本がふえたことです。
料理をする人が減ったのに
料理の本ばかりふえるのも不思議な話ですね。

もう一つはコーヒーの入れ方について書いた本が
次から次へと新しく出てきたことです。
うっかりすると、ワインの本に負けないくらい
ふえたのではないでしょうか。
私は早くからワインに親しみ、
まだワイン・ブームが起る前に
わざわざボルドーまで
ワインを仕入れに行ったことがあります。
家を建てかえた時、地下にワインセラーもつくったので、
どんな銘柄のワインが世間から
どんな扱いを受けているか大体わかります。

でもワインの銘柄は
日本の地酒に負けないくらいたくさんありますから、
とても覚えきれないし、
年代によって値段も違うし、
時間がたつとその値段がまた変わります。
だからワインのカタログは
日常欠かせない字引きのようなものです。
但し、使い古したのを
いつまでも使ってはおられませんので、
しばらくすると新しいのに入れかえます。
ところが、本屋のワインケースを見ると
意外にも手頃なものが少いのですね。
部厚い立派なワインの本はたくさん並んでいますが、
あんなに高い本一体誰が買うのでしょうね。

それに比べると、最近出ているコーヒーの本は
料理の本と同じくらい印刷も行き届いていて、
値段もかなりこなれています。
きっと一般の家庭が対象で、
専門書として売ることを
最初からあきらめているからでしょう。
ふだん家で料理をする人が減っているけれど、
料理を趣味にする人がふえているので、
料理本が増えているのでしょう。
そのデンで行けば、コーヒーをたしなむ人は
きっと料理をつくる人より
もっとずっと多いということになります。
永嶋万州彦さんにコーヒーの話をしていただいているのも、
病高じてカフェをひらきたいと思う若者が
ふえるに違いないと踏んだからです。


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2003年6月7日(土)

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