第1188回
政治家の手に負えないことばかりです

政治家やお役人のやっていることを見て、
私がどうしても理解できないことがあります。
それはデフレをとめたいと考えて、
それを当面の努力目標にしていることです。

デフレが政治的な努力によってとまるものなら、
そもそもデフレにもなっていないでしょうし、
銀行や保険会社も潰れないですんでいるでしょう。
いま起っているデフレは
人類がかつて経験したことのない
新しい時代の到来を意味するものです。
1929年の世界大恐慌のあとに起ったデフレと
同じものではありません。
従って対策を誤った企業の大半は倒産し、
その救援のために手を出した政府は大火傷をして、
いままでと違った考え方で対応する政府に生まれ変わって
出直すようになるだろうと私は見ています。
政府がデフレをとめるではなくて、
デフレが政府まで変えてしまうのです。

どうしてかというと、
デフレになった原因は先進国で工業化が進んで
供給能力が需要を常時オーバーする状態になったのと、
国境を遮っていた壁が崩れて
グローバル化が同時進行するようになって、
どんな国の力を以ってしても
この2つの大きな流れを止めることが
できなくなってしまったからです。

こうした2つの大きな流れがぶっつかり合う
鳴門海峡のようなところにおかれているのが日本です。
日本は工業化で眞っ先に飽和点に近づいた国です。
生産性も高いし、外貨も稼いでいるし、
みんないい生活をしています。
それなのに皆して頭を抱えているのは、
日本人がメイド・イン・ジャパンを買わなくなったらからです。
物がたくさんできすぎるようになったのと、
にも拘らず中国に行ってつくったり、
外国から輸入すればもっと安い物が手に入るようになったのと、
一番肝心なことはそれらの商品の山を前にして
消費者が買う気を起さなくなってしまったのです。
これらの3つの大きな傾向のどれか1つでも
変えられる自信のある人があったら手をあげて下さい。


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2003年6月11日(水)

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