第1193回
銀行だけが生き残れるわけがありません

りそな銀行が政府から2兆円の出資を仰いで
何とかピンチを切り抜けるらしい話が
連日新聞を賑わしています。
金融当局の書生っぽ的な不良債権処理を見ていて、
どの銀行が先頭を切るかはわかりませんでしたが、
必らず銀行に破綻がくることは
避けられないだろうと予想できました。

それにしてもりそな銀行とは
何という名前のつけ方でしょうか。
銀行が単独では成り立たなくなって、
合併に追い込まれていたことは誰でも知っていますが、
日本の銀行なのにUFJだとか、りそなだとか、
日本人が一ぺんで覚えられないようなネーミングにするのは
どういう心境なのでしょうか。
もう日本人の手に負えなくなって、
早かれ遅かれ外国資本に牛耳られるようになるのだから、
早手まわしに外国名前をつけておけと先廻りをしたのなら、
先見の明ありと誉めるべきでしょうか。

東京三菱とか、三井住友とか言うのだって、
産業界の歴史を知っている人にとっては
ミキサーにかけてもうまく融合できないのではないかと
心配になる名前です。
看板を見ると、日本の経済界が如何に大混乱におちいっているか、
道行く人にPRしていることがわかります。
みずほという命名に至っては、
どうせ天孫降臨の頃からある名詞を使うなら、
ひらがなよりも昔から馴染んできた漢字の方が
坐わりがよいと思いませんか。
それに日本企業の海外進出について
大陸で銀行業務をやる積りなら、
中国人にも読める字である方が
何回も銀行名をいじらないですむのではないでしょうか。

合併に際して新しく選ぶ銀行名一つ見ても
銀行の上層部の周章狼狽ぶりが目に浮んできます。
一番大きなショックは何と言っても
産業界のパイが見る見る小さくなって、
銀行の分け前がなくなってしまったことです。
お金を貸した相手がお金を儲けられなくなったら
借りたお金の利息が払えなくなるにきまっています。
日本国中の会社がメシのタネにありつけなくなったら、
銀行だけが生き残れるわけがないのです。


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2003年6月16日(月)

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