第1206回
地方工業用地を経済特区にしたら

地方に行くと、これはと思う町には大抵、
草茫々になった工業団地が未開発のまま放置されています。
土地を確保するだけでも大へんだった上に、
道路をつくったり、電力、水道、ガスなどの設備にも
莫大なお金をかけています。
いずれも地方自治体や出資をした地方の大企業が
その借金を背負ったまま今日に至っています。

天下りか、横すべりで、お役人の古手が
こうした工業団地の責任者をやっていますが、
お役所的仕事の続きだと思っていますから
緊張感もないし、借金がふくれあがっても
自分のことだとは思っていません。
私の知っている地方の工業団地の中には、
中国にそんなに世界中の大企業が集まるのなら、
日本にも来るように誘致に行こうかと
本当に出張旅費まで捻出して
団体で中国に企業誘致に出かけたところがあります。
冗談でなく、本気でそれをやったのです。

私はとびあがるほどびっくりしましたが、
よくよく考えて見たら、
設備はほとんどそろっているのですから、
誘致に必要な条件さえ整えば、
全く不可能なことでもありません。
誘致に必要な条件は、
中国大陸を見てもわかるように、
「安く良質な労働力」と「税法上の特典」です。
この2つが日本の地方の工業団地にあれば、
何もわざわざ日本の企業が外国まで工場を移動しなくとも、
地方の工業団地で間に合ってしまいます。

つまり、地方にある工業団地と
その周辺を経済特区にして、
外国から安い労働力が自由に入ってくるようにし、
そこへ工場や本社を移動してきた企業に
税金を負けてやるようにすれば、
もうほとんど息も絶え絶えになった
日本国中の地方の工業団地は瞬間的に息を吹きかえします。
そうとわかっていても、
それができないのは
国にそれをやる気がないからです。
障害に押しつぶされたまま
身動きの出来なくなる人のおつきあいを
皆さんはしてはいけません。
自分も押しつぶされて身動きができなくなってしまいます。


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2003年6月29日(日)

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