第1265回
人民元の切上げは時間の問題です

最近の国際間のお金の動きを見ていると、
次に何が起るか、だんだんはっきりしてきました。
私たちのお金の運用に最も大きな影響をあたえるのは、
人民元の切り上げが視界に入ってきたことです。

私が本腰を入れて中国大陸の投資に乗り出したのは、
小平の改革開放政策が打ち出された
1992年の約半年前のことですが、
実際に送金をするようになった時は
人民元の再度の切り下げが実施されて、
1ドル約8.3人民元になってからのことでした。
8.3元が妥当なレートであるかどうかは
その当時も色々と議論になりましたが、
お金を払う立場におかれた私の例では
土地に支払う代金が60万ドル分も節約になったので、
思わぬトクをしたという記憶があります。

その後、輸出の不振や海外からの投資が
一時的に減少したために、
人民元の更なる切り下げは
時間の問題だという時期もありましたが、
この時も中国政府は粘りに粘ってピンチに耐えてきました。
それがこの1、2年は輸出が大幅黒字になっただけでなく、
海外からの投資も年間に500億ドルをこえるようになったので、
「人民元はどう見ても安すぎる。
1日も早く切り上げるべきだ」という声が
対中貿易で大赤字になっている国々から
一せいにあがるようになりました。

「アジアの金融不安がおこって
人民元の切り下げは秒読みの段階に入った」と言われた時も、
遂に切り下げには至らなかったのですから、
今度も切り上げがそう簡単に実現すると思っている人は
ほとんどおりません。
人民元を切り上げれば、
いま有利に展開している輸出にもブレーキがかかるし、
投資資金の流入にも歯止めがかかってしまいます。
だから中国政府は粘れるだけ粘って、
いよいよどうにもならなくなるまで
切り上げに応じないと考えた方が間違いないでしょう。
それでも中国に外貨が貯まりすぎて、
にっちもさっちも行かなくなる時期が必らず来ます。
こういう傾向が続くと、
株価や地価にも大きな変化が起りますから、
そうした変化を考慮に入れた投資の仕方が必要になってきます。


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2003年8月27日(水)

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