第1272回
優良株としての条件は格差より大切

なぜ上海A株とB株、深A株とB株
(それに加えて香港H株)との格差が
重要な投資のポイントになるかというと、
人民元の平価切り上げとは別に、
人民元の自由化と変動相場制への移行が
視野に入ってきているからです。

中国のWTO加盟から5年たったところで
中国が大半の制限を撤廃するかどうかは
まだわかりませんが、
もし2006年までに人民元の自由化を実施するとしたら、
あと2年余りしか時間は残っていません。
それまでに中国人が人民元を自由に外資に換えて
外国に持ち出すことを許可しなかったら、
中国にたまる外貨は天文学的数字になって、
恐らく中国は空前の過剰流通性に見舞われて
資産インフレに悩まされるようになるでしょう。
それを緩和するために人民元の自由化を実施するとすれば、
中国人は人民元を米ドルと香港ドルに換えて
割安なB株を買うことができますから、
A株とB株の価格差は必らず縮まります。
どちらにしてもB株を存続させる理由はなくなりますから、
通貨の自由化を実施する前に、
A株とB株を一本化するのが
物事の順序というものでしょう。

もしそうだとしたら、
B株がA株に鞘寄せされる時期は
そんなに遠い先のことではありません。
一頃、鞘寄せを前提としたB株の相場が
A株にかなり近づきましたが、
昨今はまた再びひらいています。
ひらきが大きければ、鞘寄せをした時の、
倍率も高くなりますが、
投資を決定する要因はA株とB株の格差だけではありません。
格差は考慮に値いする要因の1つですが、
それ以上に重要なのは、その株が
(1)今後、成長する業種に属しているかどうか、
(2)企業の体質が健全であるかどうか、
(3)年々、確実に安定した業績の伸びを示しているかどうか、
そして(4)年々きちんと配当しているかどうか、
たとえばどんな不況な年も
欠配をしていないことが1番望ましいことですが、
年々業績が伸びて僅かでも配当をはじめた会社なら
それに次ぐ優良株と見てもさしつかえありません。
そういう資格を持った株は
外国人の買える株の中に20銘柄くらいはあります。
その中から自分の好きな銘柄を選べばいいのです。


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2003年9月3日(水)

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