第1326回
わさびは雲南から供給します

雲南省に行って面白かったことは、
雲南省が中国の西南部に位置していて、
気候温暖、年中花が咲き乱れる、
花博覧会がひらかれるところであるというだけでなく、
海抜500メートルから3000メートルまでのところが
農地になっていて、
上から下まで少しずつ温度差があって、
春夏秋冬の野菜が同時にできるので、
市場に行くとそれらの作物が
一せいに並んでいることでした。

当地の人にとっては
別に珍しいことではありませんが、
日本の感覚から言うと、
冬にも夏の野菜があるし、
ブドウは7月にはもう全部収穫が終っているし、
日本で苺の端境期にも苺ができるので、
日本に苺のない時に苺を供給することができます。
日本と雲南省では距離的にも遠いし、
運賃もかかって大へんだと思うかも知れませんが、
昆明と大阪の間には直行便がとんでいるので、
貨物のスペースを無駄にするよりは
フルに活用する方法を考えれば、
沖縄と競争することだって
できないことではありません。

そうなると、あとは何を扱うか、
その場合の冷凍技術や加工技術をどうするか、
を考えればよいわけで、
地勢的な経済と文化の違いが
却って商売を有利に展開させることになります。
たとえば、保山というところでは、
台湾の阿里山でわさびの栽培をしていた人が
地元の人を指導して
わさびの栽培をやっていますが、
気候とか水が適しているとなれば、
将来、日本のわさびは大半が
雲南省から供給されることになるかも知れません。

そうは言っても、
生わさびの品質や姿カッコに対する日本人の要求は
きびしいですから
そのおメガネに叶う1級品を供給できるまでには
時間がかかるでしょう。
その代わりチューブ入りのわさびなら、
わさびの味と香りさえあれば通用しますから、
現地で加工をしたあとはどうやって運ぶか、
またどうやって売るかが
問題として残るだけです。
大阪と昆明は5時間足らずでつながっていることを
頭に入れておいて下さい。


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2003年10月27日(月)

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