第1375回
パートタイマー中心の時代になりました

年金とか、失業手当とか、定期預金の金利とか、
頭を使わなくとも手に入るお金は
人間の頭脳の働きを退化させます。
サラリーにもそれと似たところがあります。
だからあまり長くサラリーマンをやっていると、
だんだんつぶしがきかなくなるのはそのせいです。

私が40年前に、
サラリーマン40才定年説を提唱したのも、
40才以後は自分が一生つとめられるような仕事を見つけて
それに打ち込めとすすめたのも、
創意工夫が人間に生き甲斐をあたえ、
ひいては生活の糧をもたらすと考えたからであります。

その頃に比べると、
大企業を中心とした系列の中で
定年までの生活を保障された経済構造が
大きく崩れてしまったので、
終身雇傭制と年功序列給も
成り立たなくなってしまったし、
それによって人々をつなぎとめることも
できなくなってしまいました。
デパートやスーパーにしても、
レストランやコーヒー・ショップにしても、
会社の正社員は少数派になってしまって、
数だけで言えば、
パート・タイマーやアルバイトが主流になってしまいました。
こうなると、愛社精神で
社員の団結を昂揚することもできなくなるし、
サラリーマンであることが
誇りであることもなくなってしまいます。
むしろあまり長くサラリーマンであることが
思考能力や行動能力を
退化させる原因になってしまう心配があります。
パートタイマー中心の雇傭システムになったことは
日本の産業構造に
新しい転期が来たと考えていいと思います。

人材の移動が過去半世紀に比べて
うんと自由になったのですから、
いい人材を集めていい仕事をやろうと思えば、
それができる時代になったのです。
ではどうやって人を集めるかというと
高給で釣るというのも一つの方法ですが、
お金だけで人が釣れるとは限りません。
お金よりも、むしろ仕事そのものに
魅力があるかどうかの方が問題でしょう。
日本国中がメシを食うことに
困らなくなってしまったのですから。


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