第1376回
人材の移動が自由になってきました

人の移動が一昔前に比べると、
うんと自由になりました。
土地も値上がりの可能性がなくなったので、
売る人が多くなりました。
デフレになってお金が儲からなくなったので、
いままで売り惜んでいた人と土地が
もっと活用される可能性が出てきたと思えば、
世の中、悪い方向に動いていると
一方的に断定することはできません。

最近、都心部に大きな高層ビルや
マンションが建つようになったのも、
零細地主が僅かな土地を売り惜んで
折角、利用価値のある土地を
虫食いにすることがなくなったからです。
それと同じデンで大企業が、
才能のある人材を買い殺しにしていたのを
抱えきれなくなって
手放すようになったので、
人材を手に入れるチャンスがうんとふえました。
人材開発は次の有力産業になる可能性が出てきたようです。

「人買い」と言うと耳障わりですが、
有能な人材の引っこ抜きは
アメリカでは商売になっています。
有能な技術者や中堅幹部だけでなく、
なかには経営の最高幹部さえ
引っこ抜きの対象になっています。
その点、日本では
終身雇用制と年功序列給のガードが堅かったのと、
愛社精神が美談となっていたので、
いくらお金を積まれても
同業他社に移籍する人は
ほとんどありませんでした。

しかし、その日本にも
三井が住友と合併したり、
トヨタとホンダが共同開発をしたりするようになると、
ライバルの間を隔てる高い塀が
先ず崩れおちてしまいました。
その上、大企業が先頭に立って
社員の早期退職に割増金を出すようになると、
愛社心で社員を縛ることは
一切できなくなってしまいました。
社員を縛る鎖がバラバラになってしまったのですから、
人材はどこにでも自由に動けるようになります。
大きな眞空地帯がポッカリと空いたようなものです。
ホワイト・カラーやブルー・カラーの人材派遣とか、
コンピューター要員などの技術者派遣とはわけが違います。
目的別に人材の再編成ができるようになったのです。


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