第1379回
外国人の手に負えない日本の不動産

日本の不動産が大暴落をして
一向に買手のつかなかった頃、
遥々アメリカからお金を持って
海を渡ってきた買い叩き屋は
如何にも颯爽と見えました。
彼等は英語はわかるが、
日本の不動産事情には全く通じない日本人や
英語は全くチンプンカンプンだが、
土地の事情に精通した不動産屋に案内されて
債権者である銀行に乗り込んだり、
あちこち物件を見てまわったりしました。

お金を持っておれば、
どこに行っても大事にされます。
しかし、彼等は日本の不動産事情はわからないし、
地政的な知識もありませんから、
アメリカの不動産を測る物差しで
日本の不動産を評価しようとします。
アメリカでは土地の広さや建物の質よりも、
その不動産からあがる収入で
不動産の評価をしますから、
日本人の評価との間に大きなひらきが生じます。
また銀座と六本木と渋谷の微妙な違いがわかりませんし、
上野と新宿と池袋の区別もできません。
更にもっと重要なことは
何が日本の不動産を暴落させたのか、
いつ、どうしたら日本の不動産が立ち直るのか、
正確な判断のできる立場にもおりません。

そういう人たちが只、お金に物を言わせて
日本の不動産を手がけても、
一時的に不動産のオーナーになったり、
売買の利ザヤを稼いだりすることが
できるかも知れませんが、
腰を落着けて日本の不動産屋になることは
先ずできないと考えてよいでしょう。
不良債権の整理をする時は
それこそ二束三文の値がつきますから
安値に惚れて手を出すことがありますが、
その運営によって利益が出せるかということになると、
たちまち難しい問題に直面してしまいます。

おかげで最近は日本の不動産に手を出す外国勢も
すっかり影をひそめてしまい、
日本の不動産はやっぱり日本の企業でないとやれない
という本来の姿に戻ってしまいました。
外国に行って商売ができるかどうかは
言葉ができるかどうかだけの問題ではありません。
これは外国に行って商売をやる日本人にも
あてはまることです。


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