第1426回
私たちはいま工業社会に生きています

物の値段は
需要と供給のバランスするところに決まると
説明されています。
でもそれはきわめて大雑把な説明で、
同じ商品でも店によって値段が違うし、
値切れば安く売る店もあれば、
デパートのように供給する側で
一方的に値段を定めているところもあります。

卸売りの場合であっても、
食肉市場や青物市場では、
その日の入荷の情況次第で競り値が変わるし、
石油や工業原料の価格は
刻々と変わるその日の相場で取引されます。
株に至っては双方が合意すれば、
出会ったところで取引が成立します。
これを「需要と供給のバランスしたところ」
と説明するのは後講釈で、
需要が供給をつくり出すこともあれば、
供給が新しい需要を呼び起す場合もあります。
従って物があっても値段のつかないこともあれば、
値段があっても物がない場合もあります。

米とか麦とかさまざまの食料品に至っては
毎日必要なものですから、
必らず一定の需要があります。
その需要に比べて供給が過剰な場合は値が下がるし、
反対に不足する時は値がハネ上がります。
そういう時、お互いに思惑が働きますから、
5%足りないだけなのに
10%も20%も暴騰するという極端なことも起ります。

家電製品や自動車やコンピュータなどの工業製品は
いままでなかった物が市場に現われると、
それを珍しがったり、
重宝がる人がお金を払いますから、
供給が新しい需要を生むことになります。
値段は供給側が一方的に決めることが多いのですが、
特許や独占で守られていない限り、
競争相手が必らず現われます。
すると市場価格が
その時々の情勢によって変わりますから、
これも後講釈になりますが、
需給のバランスするところで売買されていると
説明することができます。

しかし、農産物と工業製品とでは
需要と供給の仕組みや条件に大きな違いがありますから、
ごっちゃにして説明することはできません。
私たちが生きているいまの日本は工業社会ですから、
工業社会を支配する法則によって
動かされていることを知る必要があります。


←前回記事へ 2004年2月4日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ