第1437回
上海に家をつくってわかったこと

上海の新天地に引越しをするために
昨年の年末にインテリアの工事を急がせました。
工事のあらかたは年末には完成したのですが、
冷暖房に不手際があったり、
ガス工事が遅れたりして、
新年を上海の自宅で迎えることができませんでした。

それでも1月の中旬に成都から上海に入り、
新しいマンションで
とりあえず必要な台所用品や
エモンカケなどの日用品を揃えるために
近所のデパートからカルフールなどの
大型スーパーをとび歩きました。
それでわかったことですが、
上海は中国の最先端を切って
欧化の街道をすすんでいますが、
50年も竹のカーテンをおろして
門戸を閉ざしていたので、
香港や日本に比べると、欧化の壁がうすく、
やっと壁を塗り立てたばかりということに
改めて気がつきました。

いまの上海は表面だけ見ていると
高層構築が林立し、
その外見も内容も
決して東京や香港に負けませんが、
生活のレベルということになると、
30何年前の東京にも劣っています。
私たちの選んだマンションは環境といい、外見といい、
東京のどのマンションに比べても見劣りはしませんが、
とりあえず朝食の食器の用意をしたり、
お茶を飲むための茶こしのようなものを買いに行くと、
昭和40年代の日本のデパートで手に入るものより
遥かに粗末なものしかありません。
中国人がパンを食べたり、
コーヒーを飲んだりすることが
まだ少いせいもありますが、
ナイフやフォークにしても、マナ板や包丁にしても、
一般庶民が家で使うものは
まだ細かいところまで行き届いていないのです。

そう言えば30何年前に
私が東京で新しい家を建てた頃は、
何とか家はできましたが、
家具はデパートに気に入ったものがなく、
やむを得ず高価なデンマークや
イタリアの家具を注文しました。
応接セット一組に
100万円以上支払った記憶があります。
いまの上海は外見は21世紀ですが、
中身はまだあの頃の東京です。
まだやれることが山ほどあることがわかりました。


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