第1442回
同じ不良債権でもこれだけ違います

国営事業が大赤字で、
銀行から借りたお金が返済できなくなり、
中国の銀行の抱えている不良債権は
日本の銀行に負けない、
いや、それ以上だという見方があります。

どのくらい不良債権があるか
正式の発表がありませんから、
いずれも臆測の域を出ませんが、
假りに発表があったとしても、
どこまでが不良資産で、
どこからは一時停滞しているだけか
という区別は容易にはできません。
日本の銀行の抱えている不良債権は
ほとんどが不動産担保の不足分で、
株はほとんどありません。
有価証券はすぐに現金化されて
返済にあてられてしまったからです。
売るに売れなかった不動産は
売れないままに値下がりして
融資額に見合わなくなったために
不良債権が発生したのです。
企業を倒産させるか、
債権の放棄をする以外に
不良債権の整理ができないのが
日本の金融界の現状です。

中国では銀行も国営なら、
お金を借りて返さないのも国営事業です。
焦げついたお金があるのは確かですが、
同じふところですから、
最終的には国が負担すればいいのです。
何しろ銀行や株だけでなく、
土地もすべて国有で、
中国の政府ほど金持ちの政府は
世界中どこを見てもありません。

もし中国の経済が未発達のまま放置されていたら、
株も土地も全く値打ちがありませんが、
昨今のように経済成長が続いたら
株も値上がりするし、
土地はもっと値上がりをします。
たとえば、私が10年前に上海で
ビル建設のために土地を政府から50年期限で借りた時は
当時としては大へん高い金額でしたが、
いまはその時の5倍も10倍もしています。
経済が発展する時は100倍にも1000倍にもなります。
私が青山通りで土地を買おうとした時は坪50万円でしたが、
バブルの時は1億円にも値上がりしました。
それがいま上海で起ろうとしているのですから、
政府が自分のポケットの中で生じた損失の埋め合わせが
できないわけがありません。
経済が成長している時と
成長が止まった時の不良債権は
同じものではないのです。


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