第1448回
小出しの平価切り上げが株価を動かす

人民元の切り上げを小出しにして、
0.5%のひらきがある香港ドルと
同じにするのではないかという私の見方は
どうやら金融当局のスケジュールの中に入ってきたようです。
小刻みの切り上げなら、
ショックも少くてすみますし、
諸外国の要求にも
全く無反応ということでもなくなります。
しかもその結果が、
人民元と香港ドルのレートを1対1にするとすれば、
どちらからどちらに変わっても、
ややこしい計算をしないですみますし、
香港と大陸を更に一歩近づける橋渡しにもなります。

新聞の報導に対して、
当局は不正確な情報として正式に否定しましたが
2月25日から香港の中国銀行が
個人による人民元の預金を
取り扱うようになったのと相俟って、
人民元の国際化は一段と近づいたことがうかがえます。
一挙に人民元の切り上げを断行するかわりに、
5%、10%、15%と小出しにやることになれば、
為替が完全に自由化されるまでに、
私たちが切り上げにどう対処すればよいのか、
だんだんと見当がついてきました。

たとえば、もし香港ドルで売買されてきた
B株と香港H株が
人民元と同じレートになれば、
A株とのひらきは一そう不自然なものになります。
もともとレートにひらきがあった分だけ
B株、H株が上昇するのが順当な動きだし、
前に私が申しあげたように、
B株、H株の株価が
逆にA株に影響することが起るようになれば、
世界の投資家たちの中国経済に対する見方が
A株の株価にも反映されるようになります。
中国経済に対する不信感が強かった時代なら、
中国株に近づく人はいなくなるでしょうが、
過去一年間で「世界の工場」としての中国と、
「成長する消費市場」としての中国が
大きくクローズ・アップしてきたので、
株式市場の反応は
いままでと逆の形になることが考えられます。

本年以後、
続々と香港市場で上場されるH株とレッド・チップ株は
上海・深のA株の株を左右するだけでなく、
大陸で事業を展開している香港上場の香港株も
いままでにない動きをすることが考えられます。
改めて香港の中国株に注目をして下さい。


←前回記事へ 2004年2月26日(木) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ