第1476回
偶然に助けられて成功することもあります

レストランテ・イル・ミリオーネのシェフは
イタリア帰りの泊義人君という
若手の料理人にやってもらうことになっています。
泊君はピエモンテから近い
カナーレという田舎の
一つ星のアツルエノテカというレストランで
3年セコンドをつとめて帰ってきたばかりです。
イタリアでも70ばかり座席のあるレストランで
あまり年の違わないシェフと一緒になって
毎日、超満員のお客をこなしてきたそうですから、
いきなり同じくらい座席のある
大きなレストランを任せられても
さしておびえる様子は見えません。

30才になったばかりの未経験のイタリア帰りに
いきなり店を預けるような人は
私くらいのものでしょうが、
本人は新しいオーブン・キッチンの設計から
手がけることができて
やり甲斐もあると見えて自信満々です。
とりわけ北京じゅうのイタリア料理屋を
一通り食べ歩いて見て
ますます自信を深めているようです。

この青年を私に紹介してくれたのは
いま「ハイハイQさん」で
「或る日、食に目覚めて」を執筆してくれている
井川直子さんです。
井川嬢は自分でわざわざイタリアまで出かけて行って、
イタリア料理の有名店で修業している
日本人の料理人のインタービュをして
「イタリアに行ってコックになる」
という本を柴田書房から出版したばかり。
いま料理について執筆をしている
若手ホープの一人です。
本を読んで面白かったので、
電話をかけてうちのオフィスまで来てもらい、
それがホーム・ページの連載から
北京のイタリア料理にまで
つながってしまったのです。

はたしてうまく店の繁盛にまでつながり、
それに従事した人の出世にまでつながれば
それにこしたことはありませんが、
失敗に終わったとしても
私は何とも思っていません。
「失敗は成功の母ですが、偶然は成功の父だ」
と思っていますから、
失敗しても成功しても
何もやらなかったよりはましだと
割り切っています。
私の場合、尻込みする人とつきあうのが
一番苦手なんです。


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