第1515回
身代金要求にイギリス政府がやったこと

日本では子供が時間に遅れて
家に帰って来なかったら、
誘拐されたのではないかと
たちまち大騒ぎになりますが、
アジア中、どこに行っても、
誘拐は珍しくありません。
お金持ちの人やその人の子供などがよく狙われます。

プロの誘拐犯に狙われることもありますが、
大きな会社の門番や警護員が
誘拐犯に早変わりして
社長を狙うケースもありますから
油断はなりません。
一頃、台湾でも治安が悪化して、
ゴルフ道の行き帰りに
金持ちの乗用車が狙われたことがあります。
そのためにベンツの自動車の買手がつかなくなって
ベンツの新車の売値が一時期、
大暴落したこともあります。
ベンツの持主がベンツは車庫にしまい込んで、
別にダットサンを買って来て、
屋根の上にTAXIというランプをとりつけ、
運転手を後の座席に坐らせて
自分で運転したという笑話もあります。

私も街中はいいけれど、
朝早くと夜半にベンツで郊外に出ないで下さいと
言われたことがあります。
そうした車ごとの被害は
さすがになくなりましたが、
いまは自宅の車庫の前で狙われて
人間だけ連れ去られ、
身代金を要求される話はしばしばニュースになります。
台湾でもそうですから、
香港やマカオはもっとだし、
フィリピンやインドネシアに行くと、
金持ちの人やその家族は
うっかり1人歩きはできません。
1回だけでなく、この人は警察沙汰にもならず、
とりやすいとなると、何回も誘拐されて
最後に殺されてしまったという人もあります。

自分は無名だし、
金も持っていないから大丈夫だと
安心していてはいけません。
日本人は金持ちと思われているし、
本人や家族は金を持っていなくとも、
政府がお金で片づけてくれるとわかれば、
そのうちに世界中の誘拐プロの絶好の標的にされます。
そういうことになるのをおそれて
チェチェンでイギリス人の出張技師の身代金を要求された時、
イギリス政府が払うことを拒否して
見殺しにしたことがあります。


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