第1530回
カーテンをひらく準備をしましょう

いま中国の経済に起っていることは
昭和30年代の終わりから
40年代のはじめにかけて
日本で起ったことです。
但し、日本で外貨が急増して
資産インフレをもたらしたのは
昭和60年(1985)代になってからですから、
高度成長と資産インフレが
同時に起っているという面もあります。
中国と日本では歴史の違いもあるし、
環境の違いもあるし、
人の物の考え方の違いもあるので、
全部同じ経過を辿るとは限りませんが、
それでも60%か、
70%くらいの共通点はあると思います。

日本は経済の発展するプロセスで
外国資本に支配されることを極端に怖れて、
外資の導入にも外国商品の輸入にも神経質になって
きびしい制限を加えたので、
世界で最も物価の高い国になってしまいました。
それでも依然として
外貨の貯まり続ける国になっているのは
工業的に優位に立つだけの技術と
職人気質を混在してきたからです。
それに比べると、
共産体制を維持しながら中国は
意外にも開放的で、
資本も技術も両手をひらいて
よその国から受け入れているし、
恐らく外貨の貯まった分だけ
外国製品の輸入にも道をひらき、
また海外に対する中国企業の投資も
急速にすすむことが考えられます。

こうした新しい変化が
中国の産業界を大へんな勢いで一変させます。
原油の輸出国だったのが一転して
日本を越える輸入国になるのは目に見えているし、
それが中国で消費されるだけでなく、
更に加工されて世界中に再輸出されるとなれば、
カネだけでなく、
ヒトもモノも大きく動いてしまいます。
いま中東で生命を賭けた争いが起っているのは
世界が一つになる夜明け前の
暗い一瞬と見てよいでしょう。
幸にも中国はそうした葛藤の圏外におかれているので、
窓のカーテンを眞っ先にひらく位置におかれています。
私たちは暗闇の心配をするより、
窓の近くにいて
カーテンをひらく準備をすることにしましょう。
「もしもしQさん」もこれで第14冊目が書き終わりました。
これからいよいよアジアの幕明けです。
興味のある方は明日も続けて
「ハイハイQさん」にアクセスして下さい。


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