第1548回
改良は等級分けからはじまります

話が前後しますが、
ソバづくりの青年を連れて、
内モンゴルと雲南省に行ってきました。
内モンゴルは年に
8万トンのソバを日本に輸出していますが、
雲南省は年に
14万トンほどのソバを生産しているのに、
1トンも日本には輸出していません。
日本と距離がありすぎて
運賃がバカにならないことも
影響していると思います。

ソバ好きの日本人は
味のよいソバを追求して
金に糸目をつけず、大枚をはたいていますが、
地質と気象条件が同じなら、
よその国でも日本の最高級のソバと
同じものができると私は見ています。
外国産ではダメだと
頭からきめつけている人がいますが、
外米はなっとらんというのと同じだと思います。
外米はまずいという先入観を植えつけることは
農水省のお役人さんには好都合かも知れませんが、
しょっちゅう日本のお米と
外国のお米を食べ比べている私には
そういった区別はほとんどありません。

しかし、たとえば、
中国や東南アジアで
農産物に等級別の観食がなく、
一級品も三級品も一緒くたになっていることは事実です。
それを振り分けることからはじまって、
グレードをあげることに力が入るのは
日本人の得意とするところです。
米から果物に至るまで
すべての作物について言えることですが、
日本の基準で改良をすれば、
アジアの農業が大きくレベル・アップすることに
間違いはありません。

このことはソバにもあてはまることです。
従って、日本のソバと同じレベルのソバを
内モンゴルや雲南省でも育てることができる筈です。
昔は農作物は産地の周辺で
消費するよりほかありませんでしたが、
いまは遠隔の地に輸送することが可能になりました。
保存の技術さえ可能になれば、
賃金が20分の1、30分の1、
また製品価格にして20分の1、
30分の1のところから供給することも
できるようになります。
ソバはそうした農作物の中の一つであることを
確めるための旅行でした。
グレードが同じであれば、
産地にこだわる人は
だんだんいなくなってしまいます。


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