第1549回
場所を変えればコストは大幅にダウン

私がソバの勉強をしたいからと言ったら、
中国のどこのソバの産地でも大歓迎を受けました。
私のことを新しいビジネスをもたらしてくれる
福の神とでも思っているのでしょうか。
なかには6月の種蒔きに間に合うように
注文書をいただけませんか
という申し出までありました。

内モンゴルには
ソバの産地が2ヵ所あります。
一つは赤峰というところから
更に200キロほど東に行った山の中、
もう一つはフフホトから
1時間半ほど西へ車を走らせたこれまた山の中、
私たちはフフホトから近い
武川県というところへ案内され、
県のお役人さんが総出で、
主な業者たちまで集めて
県政府の会議室で
説明会をひらいてもらいまいた。
植付面積や生産量についての総計も整っておらず、
日本に輸出している業者は口を閉ざして
本当のことを言わず、
工場の見学まで拒否されてしまいました。
それにもめげず、
県の招待所の台所を使って
手打ちそばの実演をしてみせましたが、
恐らくこの土地の人たちが
日本人がどんなソバの食べ方をするのか
自分たちで味わったのははじめてだったでしょう。

一般の消費地に対する生産地の関心はうすく、
研究心もないのはどこの農産地帯にも共通しています。
私がはじめて雲南省のコーヒー園を視察した時、
作業場で出されたのは
コーヒーではなくてお茶でした。
また町一番のホテルでコーヒーを注文したら、
出されたコーヒーはインスタント・コーヒーで、
しかもスプーンをカップの中に
わざわざ突っ込んで出してきました。
こんなことだから品質改良がすすまないのだと
バカにすることもできますが、
そのおかげで私たちの割り込む余地があるのだと
解釈することもできないわけではありません。

つまり中国のソバの産地で、
日本のような栽培法を指導し、
日本で一級品とされている品種の栽培に
好適な条件を備えたところに、
そうした品種のソバを植えれば、
日本で一級品として通用するソバができるということです。
スキ焼用の葱を
山東省あたりに導入した時もそうでしたが、
同じ発想がソバの世界にも
通用するのではないかと思いました。


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