第1565回
素材産業にはまだ1、2年の寿命あり

私が15年前に中国に行った時、
中国にはロクなカラーテレビはありませんでした。
代金は払うから日本から持ってきてくれないかと
頼まれたりしました。
それがいまでは、
1年に4000万台以上も生産するようになりました。
短い間にそれだけの生産能力を
持つようになったということです。

ですから市場は大乱戦で、
値上げどころか、一歩間違えると、
大赤字に見舞われます。
したがって原料になっている素材の値上がりがあっても、
コスト高を自社で吸収するよりほかありません。
最終消費材のメーカーは
景気がよいどころか、
合理化に懸命の努力をしなければならないので、
多分、まだはじまったばかりの自動車ブームを除いては
繊維からパソコンや携帯電話に至るまで、
決して楽な経営ではありません。
株価にもそれが現われています。

では素材産業なら大丈夫かというと、
産業の高度化は
技術の改善を要求しますので、
中国のメーカーでそれがきちんとできている企業と
そうでない企業の間に
はっきりした格差が生じます。
自動車の鋼板についてもそれが言えるし、
セメントやガラスにもそれが言えます。
同じ上場会社でも
そうした差別化をきちんと調べないと
思わぬ被害を蒙ることがあります。

しかし、金融引締めの影響で
好業績の株まで軒並み値を下げています。
どのメーカーがはたして
どの程度の被害を蒙ったかは
ことし第二(四半)期の業績を見れば、
今後1年の業績が大体予想できます。
いまはまだ6月ですが、
8月になれば数字が出揃うので、
その頃には株価も
それを反映するようになるでしょう。
多分、それほどひどい目にあっていないと思いますが、
もしそうだとすれば、
いまは持株の見直しと
入れ替えをする時期ということになります。
素材産業の好況は
まだあと1年や2年は続くでしょうが、
株は未来を買うものですから、
私たちより気が早い動きをすることも事実です。
そのへんはご自分で
判断していただくよりほかありません。


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