第1630回
若い人が日中間に新しい道をひらきます

日本の企業が
中国や東南アジアに生産基地を移しても、
資本と技術は現地に引越しますが、
日本の工場で働いていた人たちは
そっくり移動するわけではありません。
コストの安い所に動くのは
人件費を節約するのが主たる目的ですから、
総経理として経営の責任者になる人と
財務を担当する人と、
あとは工場を動かす技術者たちで、
一時的にかなりの人数が派遣されたとしても、
やがて必要最低限に抑えられるのが普通です。
恐らく現地の従業員の
5%以下というのが常識でしょう。

ということは
生産基地の大移動が起れば起るほど
企業は生き残るけれど、
日本国内の失業はふえるということです。
まさか現地採用者並みの給料で働けとは言えないし、
国内でやる仕事がなくなれば、
退職金の割増でもして
辞めてもらうよりほかありません。
一時期、退職金の支払で日本の一流企業が
1000億円をこえるような赤字を計上したことは
まだ皆さんの記憶に残っている通りです。

すると職を失った人たちは
どうすればいいのでしょうか。
失業保険もあるし、
思わぬ退職金にもありついているし、
さしあたりすぐにメシに困るようなことはないにしても、
仕事は人間の生き甲斐を左右するものですから、
単なる社会問題だけではすみません。
しかも最終的には
個人が片づけなければならない問題です。
なかなかの難題だと私はずっと思ってきました。

しかし、最近の若い人たちの動きを見ていて、
新しく道をひらくのは
過去において道をひらいてきた人たちではなくて、
若い人たちだということに気づきました。
道はまだちゃんとできていないのです。
私は月給の高いところで月給をもらいなれた人は
月給の安いところには動かないものと
思い込んでいましたが、
それは私の固定観念にすぎなかったようです。
人は条件の悪いところに動かないのではなくて、
チャンスのないところに動かないのです。
それをいま、私は目のあたりに見ているところです。


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