第1635回
こんな世の中、君ならどうする?

「人はパンのみにて生きるにあらず」
とは私も頭で理解していますが、
「でも人はパンに一番心をひかれます」
という考え方が長い間、
どうしても心から離れませんでした。
もっとも経営学とは
人間はホモ・エコノミックスという前提に立って
組み立てられたものですから、
私の考え方が間違っているわけではありません。

ただそうなると、
人は収入の多いところから少いところへ動かない
という法則から逃げきれませんから
いくら国境の壁が取り払われても、
日本人が中国や東南アジアまで
職を求めて動くことはないと先ず考えてしまいます。
長い間、私はそう信じ込んでいましたが、
最近、人の動きを見ていると、
必らずしもそうではないことが
だんだんはっきりしてきました。

天下の雲行きを見ても動かないのは、
頭の回転の悪い人か、怠け者の人だけで、
頭の回転のいい人と働き者の人は
両方を見比べてみて、
チャンスの多い方、もしくは自分の夢が
叶えられそうな方向へ動くのです。

目先の利益よりも
自分が納得できることを優先させるのです。
たとえば、中国の青年は収入の少い中国よりも
収入の多い日本で就職したがりますが、
実際にやって見ると
収入の多い方に昇進する見込みが多いとは限らないし、
まして独立自営するチャンスということになると
確率はうんと低くなるんですね。
ですから日本にいて3倍の収入をもらうより、
自分が留学して覚えた日本語や
最新の知識を活用して
上海や北京で新しいチャンスをつかまえるべきだと
頭の切り換えをするようになります。
本当は何国人だからということではなくて、
チャンスが多ければ、
人は目的を達するために何を犠牲にし、
何を選択したらいいのかわかるようになるのです。
たったそれだけのことですが、
それが理解できるかどうかで
人の将来が決まってしまうのです。

さて、ここまで書いて
「もしもしQさんQさんよ」が
またも1冊分の分量に達してしまいました。
今回の私の最大の得点は
意外にも日本人の青年たちが働く舞台が
中国にたくさんあることに気づいたことです。
それだけでも私にとっては大へんな発見だし、
中国で働きたいと思っている皆さんにとっては朗報です。
この続きは明日の「もしもしQさんQさんよ」でどうぞ。


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