第1650回
月賦販売業とリース業はお手上げです

支払いの悪いのは業者だけではありません。
消費者も支払わなくとも
罰せられないことがわかると、
途端に態度を一変させます。
昔、丸井のような月賦販売を
台湾でやらないかと
誘われたことがありますが、
どうしても踏み切れなかったのは、
月賦で買ったテレビや冷蔵庫の初回は払うけれど、
あとは四の五の言って
払わなくなる心配があったからです。
セールスマンが回収にいくと、
わざと壊してさっさと持って帰れと
すごむ人もおりました。
皆が皆、性が悪いわけではなくて、
ちゃんとした人は現金で安く買おうとするが、
お金にだらしのない人が
そういう態度をとるのです。

その証拠にいまでも月賦販売と通信販売は
日本やアメリカのように
スムーズに育っておりません。
そうした気風は
国民性とでも言ったらよいのでしょうか。
消費者だけでなく、
企業にも同じ傾向が見られます。
日本では建設機械でも工場の設備でも
リースで購入するシステムが定着すると、
メーカーが直接ではなく
間にリースを本業とする会社が介在して
ビジネスをやっています。
中国で経済が発展しはじめたら、
当然そういうシステムを利用する企業が
ふえるだろうと予想して
日本でも何社かのリース会社が
中国に進出しました。

しかし、どこのリース会社も
リース料をきちんと支払ってもらえず、
不良債権化して参っています。
契約先はちゃんとした国営産業ですから、
まさかそんなことをやるとは思ってもいなかったし、
もっと困ったことに不良債権化しても、
不払いになったわけではない、
支払いが遅れているだけだと国税局が解釈して
所得税だけはきちんと計上して
不良債権としての会計処理を
ガンとして認めてくれないのです。
こういうのを踏んだり蹴ったりというのでしょう。
いつかは改まる時が来るかも知れませんが、
少くとも当分の間は、
クレジット販売とリース業はお預けというのが
中国ビジネスの珍風景と言ってよいでしょう。
それでもカードは
急速に普及する形勢を見せていますが・・・。


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