第1746回
移民するなら先進国でない方が・・・

先進国の不動産投資は難しくとも、
小さな商売ならどうでしょうとよく質問されます。
先進国の方が一人当り使うお金は多いし、
新しい商品や新しい商売の仕方も
いくつも考えられますから、
会社に派遣されてアメリカで中途退職したり、
定年退職した人で、
街道筋のショッピング・センターに
小さな店をひらく人を時々見かけます。

私もそういうことには関心がありますので、
通りかかるとよく中を覗いてみますが、
日本人の経営している日本料理屋とか
中国人の経営している中華料理屋は別として、
商品の販売をしている店は
ほとんどお客の姿が見えません。
大型店が小売の分野にまで
進出しているせいもありますが、
小売店をやって採算のとれる余地は
アメリカでもヨーロッパでも
あまり残ってないのです。
一口で言えば、先進国と言われるだけあって、
所得は発展途上国より多いかも知れませんが、
お金儲けの分野も隅々まで開拓しつくされていて
新規業者の割り込むスキマが残っていないのです。

そういうスキマのないところにも
新規業者が割り込みます。
土地の事情を知らない移民が
外国から入ってくるからです。
一頃、台湾の人たちが中共の攻撃をおそれて
あれこれ手を尽して新しく
ロスやサンフランシスコを目指して
移民をしてきました。
そういう人たちは生活の安定を求めて
店舗や住居を求めます。
その場合、同郷の人にうまいことを言われて
不動産を購入しますが、
あとになってそれが住んでいる人たちの関係で
値上がりの難しい地区だとわかっても
もう間に合いません。
どうするか見ていると、
事情を知っている人には売れませんから、
また次に移民してきた同郷の者をだまして
肩代わりをしてもらうのです。
台湾の人で台北のビルを1軒売ってロスに移り、
さんざ瞞されてひどい目にあった人が、
成長のさなかに突入した台北に帰ったら
売ったビルが3倍にも5倍にも値上がりしていた
という実話がたくさんあります。
移民するなら先進国に行かない方がいいのです。


←前回記事へ 2004年12月20日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ