第1745回
先進国の不動産投資は避けて通ろう

アメリカで不動産投資に走った
日本の不動産業者やゼネコンは
折角、日本国内で稼いだお金を
アメリカに持って行って
泥沼の中に投げこんだようなものです。
土地の事情を知らないために、
ブローカーや同業者に
高値をつかまされたこともありますが、
オーナーが外国人に変わると、
テナントが出てしまい、
なかなかビルが一杯にならないということもありました。
また新規資金が続いている間、
不動産の値上がりが続きましたが、
広大なところですから
買っても買ってもまだ売物があって
思うように値上がりをしません。
そのへんのところが、
坪当りで土地を買う日本と事情が違います。

そのうちに日本側がバブルの崩壊で
地価が下げ足に転じたのと、
産業界が過剰生産で
デフレに苦しむようになったのとで、
アメリカに資金を追加するどころの騒ぎでなくなりました。
いままで注ぎ込んできた資金が
逆に回収する動きに転ずると、
不動産は売りに押されて値下がりをはじめます。
しかも銀行から借金の返済を迫られると、
日本国内も一転して売り一色に転じますから、
海外投資の資金回収を優先します。
あれほど世界中に手を拡げていた
円資金の回収がはじまったのでは、
売り一色になって買手はなかなか現われません。

私も一頃はロス、シアトル、ニューヨークに
1000室に及ぶアパートを持っていましたが、
小分けにして一室ずつ売ることができたので
何とかピンチを逃れることができました。
でも大会社は売る時のことを想定していませんので、
100億円単位の物件となると、
香港の金持ちくらいしか
資力を持った買手はおりません。
そういう人たちは人の弱味に付け込むことしか
念頭にありませんから、
涙をのんで投げ売りをするよりほかないのです。
かくてアメリカ投資は
一巻の終わりになってしまいましたが、
一口で言えば、
先進国の投資はとても難しいということです。
小さなお金を投じて不動産を買うなら
先進国は避けて通る方がいいということになります。


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