第1767回
「永守イズムの挑戦」を読んで下さい

最近、読んだ本の中で特に印象に残ったのに、
「永守イズムの挑戦」
(日本経済新聞社編、定価1600+税)
というのがございます。

永守イズムとは
いま世間の注目を浴びている
日本電産という会社を創業した
永守重信社長の経営哲学とでも言いますか、
この困難な時代をどうやって切り抜けて行くか、
それを実際にいくつもの倒産しかかった企業に
有無を言わさず実行させて
大成功をおさめた経過を
日経の記者がリポートしたものです。

四季報を見ても、
日本電産と名のつく上場会社が
日本電産コパル、日本電産コパル電子、
日本電産トーソク、日本電産リードと並んでいますが、
いずれも永守さんが
M&Aその他の形で立て直した会社です。
なかでも特に有名になったのが三協精機の建て直しで、
自分の会社より図体の大きいオルゴールで
世界的に知られた精密パーツの会社を
債務過剰寸前ギリギリのところで引き受けて、
公言したとおりに
僅か2年で黒字化することに成功しています。

昨今のように好況時と同じような
マンネリ経営をやっていると、
たちまちピンチにおちいる会社がズラリと並んでいます。
その建て直しのできる人が
この時代の産業界の英雄と言ってよいでしょう。
そういうことのできる人はもちろん、
そうたくさんはおりませんが、
永守さんはそうした数少い人の一人です。
人のできないことのできる人は
どんなやり方をするのか知りたい人は、
ぜひこの本をしっかり読んで見て下さい。

企業の建て直しには
その人にしかできない秘法なんてないんです。
高く仕入れていたものは1割安く仕入れ、
安く売っていたものを
どうやったら1割高く買ってもらえるか、
またそのための必要経費をどうやって節約するか、
多くの従業員の協力を得て実行に移すことができたら、
それだけで企業は息を吹きかえすことができるのです。
もちろん、時代が必要とする製品を手がけていること、
また他社よりすぐれた技術を
うまく生かしきっていないということを
見分けることが大前提ですが。


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