第1859回
私に会う時はその人の運命の曲り角です

台北で考察団の人たちと別れた私は
香港経由で雲南省の昆明に向いました。
ことしは成都のイトーヨーカ堂と隣接して
百貨店のビルを建てる予定があり、
その上にビジネス・ホテルを計画していることは
前にもふれました。
このコラムでビジネスホテルのプランニングに
参加してくれる人を募集したところ、
自分がやりたいと名乗って出た青年がありました。

ならば私が雲南から成都へ出たところで
落ち合いましょうと提案したところ、
本人は私のスケジュール表を見て、
香港からお入りになるのでしたら、
私も香港から同行して
雲南のコーヒーのプロジェクトを
見せていただいていいですかときかれました。
もちろん、異存はありませんので、
香港の空港で落ち合って昆明にとび、
同夜、コーヒー産地の保山まで
辿りつくことができました。

翌日、新しく完成した
コーヒー選別工場を見学し、
農家との契約栽培について
先輩格の業者の教えを乞い、
その後、昆明へ出て翠湖の湖畔にある
五つ星のホテルに一泊しました。
同行したビジネスホテルの青年は
一晩かけて恐らくろくに寝もしないで、
翌朝コーヒー園の計画書を
私に提出してくれました。
全く予期しなかったことですが、
コーヒーについてズブのシロウトが
僅か3日間で
ちゃんとしたリポートをつくってくれたのには
改めて驚いたり、感心もしたりしました。

成都では建築の現場を見たり、
これまでにやってきたことについて
説明をしましたが、
その晩、私と同行した33才の韓国人青年は
日本でやっている
アメリカ系コンサルタントの会社を辞任して、
無から出発したいので、
と私に自分の決心を告げました。
どうやら私に会ったのが運のつきで、
私にあったばかりに
一生が変わってしまう人が多いようです。
私だって人の運命をもてあそぶのが
趣味というわけではありません。
本人がちょうど方向転換をするところまで来た時に
私が偶然にもそこで
交通整理をしていたと言うことです。


←前回記事へ 2005年4月12日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ