第1866回
借金経営が大きな躓きの石に

借金をして金儲けをするやり方は
いけないとわかっていても、
お金のない人には
それ以外に方法がありませんでした。
ところが、それをやってうまく成功して見ると、
これがなかなか効率のよいやり方なのです。

よその国では企業の自己資本は50%
あるいはそれ以上です。
ところが、日本では15%だけというのが普通でした。
それでちゃんとやって行けたのは、
経済の成長が順調に進み、
不景気で具合の悪い時も
メイン・バンクがそれを支えてくれたからです。

上場会社のような
社会資本を集めて運営する企業でもそうですから、
家族会社や個人経営になると、
借金はもっと役に立ちます。
会社の資産内容を充実させ、
含み資産をふやせば
借金の金利は経費として計上できるので、
ほとんど税金を払わないですんでしまうからです。
とりわけ不動産をメインとする業種では
借金が多いということは
それだけ含み資産を
たくさん持っているということを意味します。

西武の一家が世界一の富豪と言われながら
納税額が少ないと批判されることが
しばしばありましたが、
これは税法がそういう具合にできているのですから、
むしろ当然の帰結と言ってよいでしょう。
銀行は地価の7割まで融資することに
何の危惧も持たなかったし、
そうすることが税金を減らし、
財産を安全に保善する方法でもあったのです。

ところが、「土地の神話」を支えてきたのは
経済成長が前提であって、
誰もそれが消えてしまうと思っていなかったし、
また成長が消えたら土地は
とめどもなく値下がりするものだとも
考えていなかったのです。
融資をした銀行にしても、
不景気は1年か2年続くだけで、
すぐに恢復すると楽観していましたから
融資を先へ先へとくりのべて行ったのです。
それが一旦、下向きになったら、
とめどもなく下降線を辿り、
とうとう泥沼の中におちこんでしまったのです。
泥まみれになったのは
何も堤家の人たちだけではありません。
日本国中の借金経営に大警鐘が鳴ったのです。


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