第1870回
産業界も選手交替の時期です

ここのところ、
日本の流通業界で一番注目を浴びているのは
海外勢の敗退と店じまいです。
アメリカに次ぐ大きな消費市場で
一勝負と考えた
ウォールマートもカルフールも
ほとんど時を同じくして日本に進出し、
そして思惑がはずれて音をあげています。
一方はうまく西友を傘下に入れ、
もう一方は利益の独り占めを夢見て
日本入りをしましたが、
水先案内人のいない
カルフールの方が先に手をあげ、
ウォールマートも勝手が違いすぎて
四苦八苦しているところです。

食料とか日用品の分野では
欧米のメーカーは売る力を持った
量販店の言いなりになることが多く、
スーパーの方は
安ければ客が集まるという利点を生かして
専らリベートで稼ぐことに力を入れてきました。
ところが、日本の食品メーカーは
ナショナル・ブランドで立派に通用するところが多く、
必らずしも安売りをする必要がありません。
もう一方の群小メーカーの方も問屋によって
いまなお支配されていますから
ただ安いということだけで
うまい商売をやることはできません。
量販店はもっとキメの細かい対策が
仕入れの面でもお客様づくりの面でも
要求されているということです。
スーパーよりもっと客扱いの難しいデパートの業界で、
欧米勢の日本進出が一軒もないのを見ても、
この間の事情が理解できると思います。

そこへ、消費市場の後退がはじまると、
安売りだけで
お客を魅きつけることができないことが
一そうはっきりしてきます。
値段と店の数だけで勝負をしてきた
スーパーやコンビニが乱戦状態に突入して
同業者間で優勝劣敗を争うところまで
来てしまいました。
次はスーパーとコンビニが
討死する話に移ることになります。
コンビニが銀行の眞似事をしたり、
配送業務に手を出したりするのは、
そろそろ行き詰まりに近づいたからであって、
それに商社がかむということは、
将来、商社が大きな赤字を抱え込むことになる
という予兆と見ていいのではないでしょうか。
日本の産業界はここのところで
再び選手交替する時期に移ったのです。


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