第1869回
消費はだんだん減って行く方向です

人々のお金の使い方が変わると、
商売のやり方も変わります。
私が東京に来た頃は、
まだ駅前に三業地と呼ばれる商店街があって、
駄菓子屋とか、布団屋とか、瀬戸物屋といった
小さな個人商店が並んでいました。

工業化が進んで、
都会地に人口が集まりはじめると、
人々のふところ具合もよくなりましたが、
商売も繁盛するようになりました。
いままであった店が大きくなるかと思ったら、
そうではなくて、
新しい商売をはじめた安売り屋さんがお客を集め、
商店街の商売を奪いました。
アメリカに勉強に行って帰ってきた連中が
スーパーをやったり、家電の安売り屋をしたりして
見る見る大きくなり、
あッという間に全国にチェーンを拡げて行きました。

商店街のオヤジさんたちがそれに対抗して
大店舗法でスーパーをがんじがらめにすると、
今度はスーパーのオヤジさんが
一店舗500平米以下の小型日用品店をつくって
商店街のほとんどの商売を
かっさらってしまいました。
個人商店は世代の交替もあって
ほとんど消滅してしまいましたが、
今度はスーパー同志、コンビニ同士の食い合いです。

マイカーの時代に合わせて
郊外の工業跡地に
巨大なショッピング・センターをつくり、
町中の商店街の向うを張って
お客の奪い合いをしていましたが、
これとていつまでも日の出の勢い
というわけには行きません。
地方に建てられた工場が
海外投資にとって代わられ、
工場閉鎖の憂目にあうと、
「地方の時代」が終わって
地方の購買力がガタ落ちになってきたからです。

かつて大都市の郊外を先頭に
ベッドタウンがつくられて行きましたが、
所得の減少によって
消費にかげりが見えるようになると、
やがてショッピング・センターにも
その影響が出てくるし、
出店をふやしてきた勢いのよかった有力店にも
ストップのかかるご時世になりました。
地価が下げどまったとか、景気が戻り足だと
新聞に希望的観測の記事が載っていますが、
みんな聞き流してしまった方が
間違いないと思いませんか。


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