第1890回
資源不足が時代の最大の潮流になります

これからは資源不足の時代になります。
それもかなり深刻なことになりそうです。
中国が「世界の工場」になって、
いままでより一段と安い工業製品を
提供するようになると、
その分、先進国の需要がふえる
ということもありますが、
工業化によって中国人の所得が年々向上し、
13億という巨大な消費市場が
新しい需要をもたらすからです。

既に鉄やアルミや石炭や石油に
そのきざしがはっきりと現われています。
素材の不足や電力の不足が
既に資源の値上がりを刺戟し、
どこの素材メーカーも
原料の確保に血眼になっていますが、
それなら資源国や資源メーカーが
ホクホクする時代に入るかというと、
一時的に資源国が潤おうことがあったとしても
資源が高騰すれば、
それを使ってつくられる工業製品が
それ以上に値上がりしますから、
資源国だけがいい思いをするわけではありません。

たとえば南アフリカに行くと、
ダイヤや金を掘る企業が
一番大きなお金を動かしていますが、
ダイヤを掘っている企業よりは
ベルギーやイスラエルで
ダイヤを磨いている企業の方が
お金を儲けています。
しかし、ダイヤを磨いている企業よりは
そのダイヤをデザインして
何倍もの高値で
成金になった人たちに売っている
パリやニューヨークの宝石商の方が
お金を儲けています。
ダイヤの値段が上がった程度のことで、
お金の流れが
ひっくりかえってしまうわけではありません。

同じことが石油についても言えます。
産油国は石油の値上がりによって
何の努力もしないで一時的に、
懐具合がよくなるかも知れませんが、
そのお金を使って買う物は
もっと高くなっていますから、
産油国の王様たちだけが
大金持ちを続けることにはならないのです。
やはり付加価値を生み出す商売を
やっている人たちにはかないません。
時代によって付加価値を生む仕事が変わりますが、
付加価値が富の最大のリソースであることに
変わりはありませんから、
工業によって付加価値を生む能力を身につけた国民が
おちこぼれることにはならないのです。


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