第1898回
経済はとっくに一つの中国、なのに

1991年の小平の改革開放宣言以来、
中国は経済体制を大きく切り変えました。
その12年前に、4つの経済特区を
、珠海、汕頭、厦門に設立した時から、
中国は香港や台湾の企業家たちに呼びかけて、
中国の経済建設に
協力してもらうようになりましたが、
その結果がはっきり出たところで、
分配から生産へ重点を切り変えて、
外資も積極的に導入して、
今日の経済発展の方向づけをしたのです。

台湾企業の大陸進出は
4つの経済特区が設けられた時点から
はじまっています。
はじめは台湾の政府から
咎められることをおそれて
企業名さえかくしてスタートしましたが、
91年以降は、政府が進出を制限している
上場企業や先端産業を除いて、
香港経由で堂々と参入するようになりました。
もともと台湾の人たちは
清朝時代に禁を犯して夜逃げをして
海を渡った人たちの子孫ですから、
伝統的に腰が軽いのです。
共産党が攻め込んでくると思えば、
南アフリカやアルゼンチンにまで大移民をします。
それが中国大陸に
金儲けのチャンスがあるとわかれば、
方向を変えて大陸に逆上陸することに
躊躇したりしません。

そのおかげで、
ITの最先端を行くパーツ・メーカーから
年産1億足を越える
運動靴の生産をするメーカー、
さては生産量世界一を誇る
インスタント・ラーメンのメーカーに至るまで、
大陸に上陸した台湾企業が
中国の対外貿易の黒字に貢献している数字は
決して小さな物ではありません。
台湾側が制限している先端産業でさえも、
ほとんど9割は大陸に工場を移動しています。
その設備もパーツも
台湾から持ち込んでいるので、
大陸と台湾の貿易額は年500億ドルをこえ、
台湾側の黒字が200億ドルをこえるという
引くに引けない密接な関係ができあがっています。
経済は既に一体化しているのに、
政府だけが自分らの立場に固執して
お互いにいがみあっているのです。
こんな阿呆な関係が
いつまでも続いていいわけがありません。


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