第1899回
“現状維持”から雪解けははじまる

日本人には義経びいきの気風があります。
ですから弱い台湾の肩を持つ人が
結構たくさんいて、
独立運動に声援を送る人も少くはありません。
とりわけ中国側が選挙の時期を狙って
ミサイルの試射をしたり、
独立派を非難する声明を出したりすると、
逆効果になったり応援団を元気づけたりします。
つい最近も、独立を主張する
民進党の肩を持つ台湾の財界人を
威嚇する行動に出たりしましたが、
財界人を味方にしたかったら、
財界人が賛成してくれそうな政策を
打ち出せばよいのに、と
あまりかかわりのない私まで
いらいらしてしまいます。

さすがに、中国のトップの人たちも
気がついたのでしょう。
台湾の人たちが一番望んでいるのが
「現状維持」であれば、
「現状維持」を認める政策を打ち出せば、
台湾の人たちを味方にすることができます。
台湾の大半の人を味方にすれば、
世論が中国に敵対して
危機を生み出している民進党と
陳水扁総統から離反します。
台湾は大陸と違って
選挙で議員や総統を選出する国ですから、
支持率が低下すれば、
総統が大あわてにあわてて、
政策の手直しをしなければならなくなります。

そこまで考えたかどうかはわかりませんが、
北京は先ず
台湾の野党に働きかける作戦に出ました。
あとから考えると、
第三党の親民党が
さきに反応した形跡が見られますが
第三党が応ずるようなら、
第二党である国民党を先に招待して、
国共会談をやった方が
もっと効果的ではないかと
提言した知恵者がいたに違いありません。
国民党は立法委員の数では最優勢だし、
政権交替となれば、政権に一番近い存在です。

かくて先ず連戦主席を招び、
入れかわりに宋楚瑜主席を呼ぶという
スケジュールが整いました。
これは台湾海峡を挟んで共産党と国民党、
続いて大陸と台湾が対立して以来、
和解に向う最初のとっかかりです。
あまり遠くない将来に
大きな変化が起る前兆と見てよいでしょう。


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