第1903回
一人で二役はできないと思います

私は政治に関心はありませんが、
政治の動向には気をつけています。
台湾の場合は自分の生まれ故郷のことでもあり、
2300万人の人の運命にかかわることですから、
どんな人がどんな役割をはたしているか、
自分なりの評価をしています。

そうした目で見ると、
陳水扁という人は
自分の人気にとても敏感な人で、
信念の人とは言えませんが、
その地位を守るために大陸から台湾を守る立場で
一貫してきました。
その票の背景は
台湾南部の大陸人嫌いの人たちですが、
好き嫌いが経済的利益に優先していますから、
経済人たちとは相容れないところがあります。
その分だけ中国大陸側にとっては
手なづけにくい相手ということにもなります。

もし陳水扁が
連戦や宋楚瑜のような立場だったら、
組しやすい相手とばかりに
北京からなめられたに違いありません。
連戦や宋楚瑜が鄭重な扱いを受けたのも
陳水扁がとりつく島のない相手だったからです。
そうした意味でも陳水扁には
ちゃんとした存在価値があるのです。
ところが、機を見るに敏な陳水扁は
いつまでもいまの状態を
続けることができないことに気がついたのです。
信念の人なら自分の役割をはたせなくなったら、
潔ぎよく舞台を下ります。
それに対して、
まだ若いということもありますが、
自分が生き残る方法はないものかと
思案するようになると、
混乱は先ず自分の頭の中から起ります。

交渉の際の手ごわい相手である
という印象は残したいが、
交渉のできない相手ではない
という印象はあたえたい、
そのためにはここのところ
独立一辺倒の李登輝前総統とは
先ず一線を画する必要がある。
また交渉の前座をつとめた
連戦や宋楚瑜と自分は別格だ
という印象をあたえなくてはならない。
そうした下心があると、
毎日めまぐるしく起る変化に
うまく対応できなくなります。
そのために、大混乱が起っているのです。
ここのところだけ見ても、
台湾に新しい変化が起ることは
そう先のことでないことが分かります。


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