第1904回
大陸側が台湾訪問を全面開放

では台湾と中国大陸の間に
何が起るのでしょうか。
中国側は、
「中国を一つであることを認めろとは言わない。」
「九二意識の昔に戻って、
 中国は一つであるけれども、
 それぞれの認識している中国には
 違いがあるという九二意識に戻れば、
 そこを出発点として新しい交渉をしようじゃないか」
と提案しています。

これに対して国民党も親民党も同意していますが、
陳水扁だけがそんな同意は存在しないと
否定し続けています。
でも大陸側は「現状の維持」から
再出発しようと言っているのだから、
それでいいじゃないかと
台湾の過半数の人が賛成しています。
下手をすると総統一人が
置きざりになる心配もあるのです。
好むと好まざるに拘らず、
大陸との交渉を進めないわけには
行かなくなったのです。

中国側は先に台湾の野党と合意に達し、
野党が議会で過半数を占めていますから、
総統は「びっこのアヒル」になってしまう心配もあります。
「台湾との交渉は政府を相手にしてくれませんか」と
ブッシュ大統領が
わざわざ胡錦涛主席に電話してくれたので、
陳水扁はホッと一息ついたところですが、
それがどんな形で実現するか、
いまのところ
まだはっきりとした見込みはたっていません。

陳水扁総統の北京入りに
すんなりつながるとしても、
いままでの主張を
大きく修正しなければなりませんので、
いままで陳水扁を支えてきた民進党内で
一悶着も二悶着もあると考えなければなりません。
また李登輝を生みの親にして誕生した
台湾民聯とも対決をしなければならなくなります。

そうした政治的な離合鳥散は避けられませんが、
長く懸案になっていた三通は
どんなことがあっても具体化して
実現の運びになることは避けられなくなります。
連戦との会談で大陸側は
大陸にいる中国人が台湾を訪問することを
全面開放したのですから、
台湾側としても
何らかの対応をしなければならなくなるでしょう。
たじたじになっているのは
民進党率いる台湾政府の側なのです。


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