第1920回
輸出税は人民元切り上げが近い証拠

アメリカが中国政府に対して
人民元の切り上げを迫っているのは、
中国の対アメリカ輸出が急増しているからです。
もし公正なところまで
為替レートを調整しないなら、
アメリカは中国からの繊維製品輸入に対して
特別税を課すると警告しました。
かつてニクソンが
日本に対して押し迫ったことの
二の舞と思ったらわかりやすいでしょう。

これに対して中国政府のとった措置は
既にやっていた輸出税を
10倍以上に引き上げることでした。
繊維製品の輸出値が安すぎると言われるのなら、
安すぎる分を政府がとった方が
人民元の切り上げによって
全輸出が影響を受けるよりましだと考えたのです。
日本はさすがに
こうした小利口な措置に出ませんでしたが、
対米繊維交渉でさんざ手古摺った前歴があります。
もし輸出に税金をかけることで
根本的な解決がつくものなら話は簡単です。

輸出税の引き上げを発表した途端に、
上場している繊維株は
軒並み10%以上も1日に大暴落をしました。
企業の業績が一きょにダウンすることは
誰の目にも明らかだからです。
しかもそれが人民元切り上げのハシリだとすれば、
輸出産業もまた影響を受けることになりますから、
家電からコンピューターのパーツ・メーカーまで
一せいに値を下げます。
各企業の資金需要は
増大の一途を辿っているというのに、
株価が底を這うような形になることは、
輸出産業を中心にダメージを蒙ることになります。
家電の株が繊維株に続いて
弱含みになっているのはそのせいです。

しかし、そのあと、
中国政府は政策を一変して
輸出税80何種類を一きょに全廃してしまいました。
輸出を奨励する立場から言えば、
輸出業者にとってこちらがわかりやすいでしょう。
それでも問題の根本的な解決にはほど遠いのです。
恐らくトラブルはもっとあとを引くでしょうが、
これで中国の経済成長に
ストップがかかるわけではありません。
繊維産業に消長は起るでしょうが、
それがとまらないとすれば、
中国国内の産業構造そのものが
大きく変わるところに来ていると見てよいでしょう。


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