第1919回
不動産が下がれば不動産株が上がるかも

たとえば湯臣集団という
上海の不動産建設に的をしぼった
香港上場の会社があります。
浦東のトムソン・ゴルフクラブは
上海で働いている外国人に
よく利用されていますが、
この会社は陸家嘴の黄浦江に面した河っぷちに
40何階建の高層ビルを3棟建てています。
どの程度、販売したか私にはわかりませんが、
もしまだ売っていなかったら、
大へんな含み財産になっています。

この会社は上海の最高級住宅が
1平米6万元になったのを見て、
7万元になったら売ると言っていると
事情をよく知っている人からききました。
もしそうだとしたら、
7万元になった時はまた売り惜しみをして、
8万元に値上げをするかも知れません。
しかし、6万元が5万元に値下がりしたら、
もっと値下がりをしたら大へんだと
逆に売り惜しみをしなくなります。
土地は10年も前に手当てをしたものだし、
建築費は値上がりする前に
見積りをしたものですから、
假りに6万元が4万元まで下げたとしても
大へんな儲けが出ます。

この会社のオーナーは昨年、急逝しましたが、
死んで逆に株価が上がったところを見ると
本業で儲ける以外に
自分の会社の株価でも儲けようとする人だと
思われていたからかも知れません。
舵取りをする人がいなくなっても、
株価が高値を維持しているところを見ると、
内容はそれよりももっとずっといい筈だと
株通の間で思われているからでしょう。

こうした不動産株が
中国株(香港に上場されているものも含めて)には
まだかなりあります。
いまは金融引締めのため
株式市場全体が下値を低迷していますから、
不動産株も
泣かずとばずのところにおかれていますが、
不動産の値下がりが
不動産株を押し下げると考えるのは
むしろ短絡的な考え方と言って
よいのではないでしょうか。

似たようなことが
いま下値におさえ込まれている
ほかの中国株についても言えます。
特に人民元の切り上げが押し迫ったとなると、
投資家は自分の持ち株を
再検討する時期に来ていると言って
よいと思います。


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