第1935回
デザインが付加価値を生みます

外国から学ぶにあたって
一番必要なことは言葉が通ずることです。
ですから私が台湾で眞っ先にやったことは
日本語を教えることでした。
もう25年もたちましたので、
20万人以上の人が
私の学校で勉強をしたことになります。

同じことが中国大陸にも起ってきましたので、
6年ほど前から上海と北京で
日本語教室をはじめました。
北京は日本に対する敵意も強く、
日本語を学ぶ人が少いので
一時、閉鎖の状態にありますが、
上海には4校あって
台湾も加えると、5000人ほどの人が
日本語の勉強をしています。
恐らく世界で一番スケールの大きな
日本語学校と言ってよいでしょう。
昨今のように、
反日抗日ムードが強くなると、
勉強する人も減って、
靖国問題が安く片づいてくれないかなあと
教室で働いている人たちは望んでいますが、
私はもう少し長期的な展望で物を見ています。

言葉の次に私が中国で必要な物は
物づくりに必要なオリジナリティと
技術力ではないかと考えています。
技術力は学校と現場で
鍛えあげてもらうよりほかありませんが、
オリジナリティの基本は
デザインと深くかかわっています。
私が日本語学校と隣り合わせに
デザイン学校をやりたいと考えたのは
付加価値を大きく左右するのは
デザインであると考えているからです。

いまから30何年前、
ライターをつくっている会社の社長さんが
私にクリスチャン・ディオールのデザインした
煙草盆のセットを
プレゼントしてくれたことがあります。
「うちでつくっているセットは3500円ですが、
 クリスチャン・ディオールと名前が入っただけで
 10500円でとぶように売れるのです。
 コストは同じで売値は3倍ですから、
 有名ブランドには敵いませんね」

これだと思いました。
いまで言えば、携帯電話やパソコンに
デザインがあるのとないのとでは
値段も売れ行きもまるで違います。
中国に欠けているのは
これだという考えが私の頭を離れないのです。


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