第1974回
小刻み切り上げは常套化します

人民元の切り上げは
たったの2%にすぎませんでしたが、
株価は一せいに反撥しました。
とりわけ香港で上場されている中国株は
香港ドルで売買されておりますから、
為替の切り上げ分をこえて値上がりをしています。
かねてからそういうことになるだろうと
私も言っていましたが、
これが現実になってみると、
もう香港ドルで中国株を買うことは
心配のタネでなくなることが
衆知の事実になってしまいました。

新聞には2%は小手試しにやったことで
恐らく今年中にあと2回、
2%の調整が続くだろうと書かれていますが、
それに対して人民銀行の発言人は
「そういうスケジュールにはなっていないので、
 誤解のないように」
と鄭重に否定しています。
当局としては余計な期待をされては困るので、
当然そうした声明になるでしょうが、
人民元切り上げの圧力は
今後一段ときびしくなることはあっても、
これで解消されるわけではありませんから、
当局としても肩の荷が下りたことになるし、
中国株に投資している人たちにとっては
安心買いのできる環境におかれたことになります。

そうなると、
中国で事業を展開する計画のある企業は
早く送金をしないと
支出が増大する心配があるし、
中国株投資をする場合も
同じことが考えられますから、
海外からの投資に一段と加速がかかることは
避けられなくなります。
その結果は人民銀行の外貨保有高が
更に増加しますので、
中国の外貨準備が日本のそれを超える日は
そんなに遠い将来のことでなくなってしまいます。

結果として
人民元の更なる切り上げが続くことになりますが、
小刻み切り上げで対応すれば
ショックが少いだけでなく、
むしろ経済界の刺戟になることが
はっきりしましたので、
人民銀行が実際にやることは
口で言っている通りにならないことは
誰が考えても実際に起こり得るのです。
それに比例して
中国株ブームが一段とかしましくなることも
誰の目にもはっきりそれと
わかるようになってきました。


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