第1985回
中国の外貨減らしは資源の確保に

中国の外貨準備高が
日本のそれを超えるのは
もはや時間の問題だというところまで
来てしまいました。
かつて日本にドンドン外貨が貯まった時も、
日本は目の敵にされ、
貿易摩擦で国中がガタガタしましたが、
似たようなことがいま中国で起っています。

外国に対して異常に粘り腰の中国も
とうとう2%の人民元切上げに踏み込みましたが、
人民元切り上げに圧力をかけているのは
アメリカなどの外国ではありません。
外国がしかけているように見えますが、
本当は7000億ドルを超える外貨がもたらしたものです。
ご存じのように外貨が貯まるということは、
外貨を稼いだ国内企業や
資金を持ち込んできた人たちが
ドルを人民元に換えるからです。
外貨が貯まれば貯まるほど、
国内に人民元が溢れ、
それが原因で過剰流動性を惹き起し、
資産インフレを招いたら、
物価を押し上げたりします。
それを避けようと思えば、
外貨の急激な流入を抑えなければなりません。
そのためには為替レートを引き上げて
輸出入のバランスを調整するか、
人民元を持っている人たちに
外貨を使わせるように仕向けるよりほかありません。

日本では銀行が中心になって
外貨の融資をし、
海外投資を奨励しました。
日本人は国内で生産した物を輸出することによって
外貨を稼いだので、
生産基地を海外に動かすことは念頭になく、
稼いだ外貨で海外の不動産に投資する道を選びました。
所得がふえる過程にないところで
不動産ばかり値上がりしても、
あとが続かないことは目に見えています。
そのために不動産ブームが一巡すると、
元の黙阿弥に戻って一敗地に塗れたことは
皆さん、ご存じの通りです。

中国にも同じ問題が起っていますが、
中国政府は外貨減らしのために
中国の企業に海外投資をすすめています。
不動産投資ではなくて、
先ず資源を確保することからはじまって
外国企業の買収に力を入れています。
日本より一枚上手だと言ってよいでしょう。


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