第1987回
中国企業による買収がはじまります

中国政府が選んだ外貨べらしの方法は
人民元の切り上げよりも、
レートはなるべく動かさないで、
外貨べらしをすることです。
そのためには海外旅行の自由化もその一つですが、
何と言っても中国企業に海外で
企業買収をすることを奨励することです。
その方が中国を豊かにし、
中国の国際的地位を引き上げることにも
役立つからです。

資源確保のための鉱区の買収もその一つですが、
外国の技術を買収するのも、
外国の企業を丸ごと手に入れるのも、
その部類に入ります。
聯想集団がIBMのパソコン部門を買収したのは
ついこの間のことですが、
蛇が象を呑み込む話として受けとった人も
かなりいたに違いありません。
でもこうした買収は
これから次々と起ると思って下さい。
なぜならば外貨が洪水のように押し寄せたら、
人民銀行は外貨減らしに狂奔するよりほかないし、
人民元の切り上げをするよりも、
人民元で融資をして外貨に換えてもらえば、
人民銀行は損をしないで
外貨を減らすことができるからです。

つまり中国の外貨減らしは
小刻みの平価切り上げと
企業の海外投資への積極的な介入、
奨励ということになります。
それも大型の融資ほど大義名分が立つので、
中国経済界を代表するような大企業に
白羽の矢が立ちます。
したがって日本や韓国の自動車とか
重電とか電子産業とか言った分野で、
あッと驚くような買収劇が起る可能性は
ますます色濃くなります。

その中には勝手が違って
蹴躓くケースも当然あるでしょうが、
中国の市場とつながった
新しい展開が考えられますので、
海外の不動産に投資するのとは
根本的な違いがあります。
日本の企業が海外に行って
レベルの低い企業の買収をするのと違って、
ちょうどその逆のことが起るのですから、
誰だって戸惑ってしまいます。
しかし、そうした過去には考えられなかったことが
起ろうとしているのですから、
いままでの常識で判断するのはやめて下さい。
中国人が日本に働きに来るのではなくて、
日本人が中国に働きに行く時代になったのですから。


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