第2011回
同じ話をくりかえすな、孫の話をするな

「百金買駿馬、千金買美人、萬金買高爵、何處買青春」
と書いた額は
北京の私のオフィスにかかっています。
これは阪急の創業者である小林一三さんが
どこかから拝借してきて
小林一三全集におさめられている漢詩です。
30代も終りに近づいてから脱サラをし、
阪急電鉄をたちあげて
宝塚少女歌劇団までつくった小林さんにして見れば、
成功者として世間から
受け入れられるようになった時は
既に青春は遠い存在だったのですから、
実感のある文句だったに違いありません。

私は成功者には程遠い立場ですが、
青春を惜しむ気持では
小林さんに劣ることはありません。
年をとりたくない気持では誰しも同じですが、
そのためには
年をとらない努力をする必要があります。
年をとることは避けられませんが、
人はなるべく
年寄り臭く見えない方法はないものかと考えます。
どうすればよいかというと、
年寄りに共通の言動を探がし出してきて、
そういう言動を避ければ
年寄り臭く見えないですみます。

私が見ると、大抵の年寄りは
一つのことを言うのに
同じ話を何回もくりかえします。
ちょうどテープレコーダがこわれて
テープが同じところをまわっている感じです。
あるいは脳の中の機械に似たような故障が
起っているのかも知れません。
もしそうだとしたら
年寄り臭く見えないためには意識して、
少くとも同じ時に同じ人に向って
2回同じ話をくりかえさないように
努めればよいのです。

もう1つ、年寄りはよく孫の話をします。
孫が可愛いいからでしょうが、
孫が可愛くなったらいい加減、
年寄りになってしまった証拠です。
ですから私は人にきかれても
孫のことを話題にすることはありません。
それどころか、
私は自分の孫くらいにあたる年齢の若者と
一緒に仕事をしています。
気持は同じ積りでも話をすると
私の方がずっとたくさんのことを知っています。
私の方が知恵者なんだと思う一面、
もしかしたら自分の持っている知恵や知識は
自分の生き方を邪魔しているのではないかと
反省することにもなります。


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