第2026回
競争力より独占性、安定度を見て下さい

人民元の切り上げが続いても、
中国の輸出が減る心配はあまりありません。
中国の輸出産業は合理化と量産による
コストダウンに拍車がかかってきたところで、
為替レートの変動くらいのことは
克服できる実力がついているからです。
問題はむしろ同業者間の価格競争に
どう対処するかというところにあります。

いまの中国の技術水準では、
ライバル企業や先発企業の製品のコピーをして
性能やデザインを改善することはできますが、
オリジナルの開発にはまだ時間がかかります。
やがてそれができるところまで達することに
間違いはありませんが、
激しい輸出競争のプロセスで
はたしてどの企業が生き残るか
という問題はあります。
上場会社のレベルにあっても
こうした淘汰に曝されます。

そう言った意味では
繊維とか家電とか言った日進月歩で、
価格競争に大きく業績を左右される業界は
その分、リスクが大きいと言えます。
自動車業界についても同じことが言えます。
たとえ国内市場向けであっても、
価格競争に耐えられない企業が没落するからです。
最後まで生き長らえるメーカーでも、
相手を振り落すまでに
さんざん消耗させられるので、
高い株価を維持することは困難です。
ビジネスに関する限り、
中国はほかに類例のない
激甚な競争社会であることを
忘れないで下さい。

では輸出でなくて
輸入の業界なら安心かということになると、
人民元の切り上げによって
プラスになる面はありますが、
きびしい競争に曝される点においては
少しの油断もできません。
今後、輸出産業よりも国内市場が
大へんな勢いで伸びるというのが
私の判断なので、
国内市場に着実な足場のある業種と企業に
大きく成長するチャンスがあることと見ています。
商売がうまいかどうかということもありますが、
どの程度の独占力があり、
どの程度、優位におかれているかによって、
つまり企業の安定度が中国の場合には
大きく株価を左右すると見て
間違いはないと思います。


←前回記事へ 2005年9月26日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ