第2037回
パソコン・ブーム去って新旗手の誕生

ビットバレー(渋谷)に集まる若い野心家たちは
大学を出たか、中退したばかりの
懐淋しい若者たちですから、
資本と言えば、パソコンだけです。
渋谷に本拠をおくと言っても
渋谷は家賃の安いところではありませんから
どうしても渋谷にこだわるとなれば、
横町を入った家の2階とか、
路地裏のアパートの一室を借りるのがやっとでした。

そうしたところに、
同じ志を持ったパソコン・マニアが集まって、
お金がかからないでできる試みなら
何にでも挑戦しようというのです。
パソコンをいじれない
中小企業のホーム・ページをつくる作業から、
自動車メーカーのデーター、
東西ワインの年代別データー、
さては主婦必読のページに至るまで、
そこへ広告を集めれば
商売になるんじゃないかという思惑をこめて、
情報蒐集に全力をあげたのです。

私のような冷静な第三者から見たら、
とてもお金にならないだろうと思う
データーづくりですから、
いまに店じまいをするだろうと思いきや、
そのデーターを孫正義が買ってくれたとか、
さるベンチャーキャピタルが
資本参加をしてくれたとか噂が立って、
しばらくぶりに訪ねて行くと、
新しい立派なビルに引越しをしているのです。

きいて見ると、億どころか、
更に桁の違う資本が集まったと言いますから、
これからずっと
資本を食いつぶす営業活動が続いても
あと10年はもつなあという
金に困らない会社になっているのです。
これではうっかり批判したら、
「酸っぱい葡萄」の話になってしまうので
黙って引き下がるよりほかありませんでしたが、
いくら何でもそのうちに
ブームは下火になるだろうと
時間待ちをするようになりました。
はたして台風一過、空は晴れても
嵐に流されて姿を消したベンチャーは
少くはありませんが、もっと重要なのは、
その中から生き残って見事に株式上場をはたし、
既存の大企業と肩を並べる新入りが
産業界に根をおろしたことです。


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