第2075回
役人の堕落の次は役所の民主化

敵対する勢力が反政府的な徒党なら
対処の仕方があります。
軍事力と警察力を使って強権を発動すれば、
これまでそうしてきたように、
有無を言わず片づけてしまうことができます。
ところが、お金の力を背景とした人々の
心の中ということになると、
いくら口を酸っぱくしても
相手を屈服させることができません。
それどころか、
政府のお役人が人民の訴えをきき、
積極的に解決する役割を
はたさざるを得なくなります。

皇帝の威光を背景にした官僚専制主義には
何千年の歴史があり、
王朝が変わっても連綿と続いて今日に到っています。
ですから中央に新風が吹き込んで
トップの方が浮足立っても、地方に行くと
いまでもまだ役人が官僚風を吹かせています。
大抵のトラブルは
役人が特定の業者のために
農民を強制的に立ちのかせたり、
不当な税金をとったりしたことをきっかけに起りますが、
地方で暴動が頻発するようになったのは
治安が悪くなったからではありません。
それどころか、貧官汚吏に叛旗をひるがえしても、
一家皆殺しにあわないことがわかってきたからです。
いまの北京はそういうことが起ることに
極端に神経質になっています。
何か起ると、すぐに事件を究明し、
公正な処置をとる努力をします。
昔なら叛乱として一括処理されたのが
問題処理のきっかけになることがわかったので、
百姓一揆のようなことが
続発するようになったのです。
民主化がすすんでいる過程に起っていることですから、
それが全国的な叛乱や
革命につながる心配はないと断言できます。

そんなことよりも、
いままでお金を持たなかった人たちが
お金を持つようになると、
政府への要求がふえます。
人民を見下だすような高飛車の態度では
役人がつとまらなくなります。
またそういう人に限りお金の力には弱いので、
お金がそういう人たちに
言うことをきかせるようになるのです。
お金は人を豊かにしますが、
役人たちを堕落させる力もあります。
眞っ先に金持ちになるのが
高位高官の子弟であるのを見てもわかる通りです。


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