第2076回
中国のお役所が大きく変わる時がきました

この10年で中国のお役所の空気も
すっかり変わりました。
何か不条理なことをすると
すぐに抗議されるようになったので、
お役所の椅子も
そんなに坐わり心地のよいものではなくなりました。
とりわけ経済成長によって
民間企業の方がチャンスも多く、
収入もよいとなると、
有能な者は役人になるのを敬遠するようになります。
市長さんや副市長さんをやっても、
権限があるかも知れないけれど、
サラリーは外資企業に勤める若者たちと
どっこいどっこいですから、
役人になるよりも英語や日本語でも覚えた方が
身入りは多いということになります。
その上、やることなすことに監視の目が光り、
あちこちから圧力がかかるようになると、
もはや人に羨しがられるような身分ではありません。

それでも全く成り手がいなくなる
ということではありませんから、
お役所がなくなってしまうわけではありません。
しかし、税金で養われる身分になると、
新しく税金を払う身分になった人たちの文句が
大きくなる一方ですから、
人々の平均的サラリーが
1000元から3000元になった頃には
人民政府が文字通り人民のための政府に
近づくことは避けられなくなります。
またそうならなければ、
共産党の政府そのものがもたなくなってしまいます。
ですからこの次、中国で一番大きく変わるのは
人民元の値打ちではなくて、
お役所の雰囲気ということになります。

そんなことが本当にあるのかと
目を丸くする人がいるかも知れません。
でも本当に起り得るのです。
前例が台湾にあります。
30年前の台湾はいまの中国より
ずっときびしい警察国家でした。
それが誰に教えられるでもなく、
経済が豊かになって社会の雰囲気が変わると、
役人の気風がしぜんに変わってしまいました。
もし私が台湾で
目の当りに起ったことを見ていなかったら、
私も信じない方にまわったに違いありません。
でもいま私は中国の役所が
10年前に出でずして
大きく方向転換することを期待しているし、
信じてもいます。


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