第2084回
自分の脚を自分で縛りつけるな

このまま2、3年続いたら、
中国の外貨準備高は
完全に日本を追い抜いてしまいます。
追い抜くと言っても、
中国の人口は日本の10倍もありますから、
一人当たりにすると大したことはありません。
収入にしても
はたして日本の10分の1になれるものかどうか。

しかし、世の中を変えるのは、
収入の高さではありません。
背の伸び方です。
たとえ日本の10分の1か、20分の1しかなくとも、
物価の水準が違うし、成長率も違えば、
その変化が社会全体に信じられないくらい
大きなインパクトをあたえます。
日本の10倍の人口のところで、
かつての日本でマイホームづくりがはじまったり、
マイカー・ブームがはじまったりしたら、
一挙に日本の10倍の工場が稼動したり、
10倍の原料や素材が動くことになりますから、
いまの私たちが想像している光景を
遙かに超える現実に直面することが考えられます。

その時、自分はどこに位置しているのが正しいか
ということが問題になります。
昔のように身分制があったり、
カーストに縛られて身動きができないなら別ですが、
これからは人間、自分の行きたいところ
どこへでも行けるのです。
昔、李斯という人が
倉庫の番をしていたことがありました。
トイレに行こうとすると、物音をきいただけで
トイレに棲んでいるネズミは
あわてふためいて姿を消しました。
ところが、米倉の中に入ると、
米倉の中のネズミは
人の動きなど少しも意に介せず
悠々と食糧をかじり続けています。
それを見て、同じネズミでも居るところによって
こんなに生きる条件が違うのだから、
人間も自分がいいと思う環境に動いて
自分の天分を発揮すべきだと自覚して、
のちに秦の始皇帝の宰相にまで出世しました。

人は植物と違って
自分の足で動くことができます。
ですから何国人であるかを問わず
自分の住む環境を選ぶことができる時代です。
どうして自分の脚を
自分で縛りつけたりする必要があるのでしょうか。


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