第2098回
所得を発生させずに資産をつくる法

大金持ちになる人は
高額所得者になって
税金をたくさん払う人のことではありません。
所得を発生させずに資産をふやした人のことです。

いまは少しはましになりましたが、
私が税金の俄か勉強をして
「Qゼイキン報告」を
日本経済新聞に連載した頃は、
高額所得者に対する税率は90%にも及びました。
或る時、年収が10億円に達して
9億円ほど税金を払った
松下幸之助さんに新聞記者が
「ご感想は?」ときいたら、松下さんは
「10億円稼いだから9億円税金を払ったというよりは、
 お前は国のために10億円稼いできたから、
 ご褒美として1億円あげると言われた感じですね」
と答えておりました。
高額所得者になって
罰金のような税金を払っていたのでは
大金持ちになれるわけではありません。
大会社の創業者社長さんで
大金持ちになった人の遺産を見てもわかるように、
その財産の大半は額面50円で払い込んで、
1000円とか2000円とか
元値の何十倍にもなっている社長の持株と
まだ地価の安かった頃に買った家屋敷が占めています。
いずれも所得税をかけられずにふえたお金であって、
死んだ時が年貢の納め時ということになります。

ですから本当に大金持ちになった人は
所得を発生させずに財産をふやした人のことで、
自分一代でそれができても、
相続をする時点で大きな関所にぶっつかります。
堤家が相続の時に他人名義を使ったのも
決して偶然ではりません。

「Qゼイキン報告」の本を書いた時点(1966年)で、
私は税金の仕組みと大金持ちの人たちが
どうやって節税をしたかを
勉強させてもらいましたので、
遅蒔きながらその手法を
少しばかり使わせていただきました。
と言っても大したことが
できたわけではありませんが、
自分の個人収入を自分の所得にせずに
家族会社の収入にし、
収入の大半を銀行からの借入れの金利に支払って
不動産を買ったのです。
不動産は何十倍と言わず値上がりしましたので、
私の収入は一向にふえませんでしたが、
会社の含み資産がその分ふくらんだのです。


←前回記事へ 2005年12月7日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ