第2104回
固定観念で判断するとよく間違えます

アマゾンが本の販売をインターネットでやって
アメリカで何年も赤字を続けた時、
私は本のように自分で目次をあけて見ないと
人が買わない商品は
インターネットには向かないのではないかと
疑問を呈したことがありました。

ところが、アマゾンが日本に店を持って、
本以外の商品も扱うようになって、
厖大な資料の中から探がしている本を
すぐに見つけ出すだけの能力があることがわかると、
利用者が急速に伸びて、
業績が黒字化すると、
さすがの私も自分の不明を
恥じるよりほかなくなりました。
世の中には本の目次や前書を読まないでも
平気で本を買う人がいるんですね。
自分だけが本読みであると思うのも間違いだし、
本読みは皆、自分と同じ性癖を持っていると考えるのも
間違いだと改めて思い知らされました。

また中国の人は自分の買いたい洋服や持ち物は
実際に自分で手に取ってみないと
買わない習性があるので、
通信販売は香港や台湾でも
なかなか商売として育っていません。
ところが日本では年に
1000億円も売上げのある大企業があります。
インターネットで買えると言っても、
受話器を手にとるのと
同じだけの手間はかかるわけですから、
はたして通信販売を凌駕できるのかと
疑問を持っていましたが、
いまやチェーン店でも
インターネットによる注文を受けつけるコーナーを
持つようになっていますから、
固定観念で物事を判断するのは
禁物だと教わることが次々と起っています。

となると、いきなり結論を出すよりも、
とりあえずは実験して見ることが
先だということになります。
お金の新しい通り路に
なるようなところにある事業は
頭から否定してかかるわけには行きません。
産業界に大きな変化をもたらす発明や新技術は
いずれもそうした性格を持っていますが、
インターネットの未開発、未利用の部分は
いまの私たちの常識の向うにかくれていますので、
まだこれからどんな成金を誕生させるか
予断を許しません。


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